【感想】AIvs.教科書が読めない子どもたち

あらすじ。

「ロボットが東大に受かることができるか?」に挑戦し話題となった数学の先生の本。AIが仕事を奪う未来が語られる中で、本当に危険なことは何か?について、本質的な課題を探り、来たるべき未来に誰が何を備えるかについて語られている。

AIやロボットが人間の労働力に代替されるとはどういうことか?

どんな仕事、スキルが代替される可能性があるのか?

そもそも機械が代替できるであろう仕事とは何なのか?

代替されないスキルとは何か?

それはどのように身につけられるものか?

実際に自分事で置き直したときにも非常に納得感のあるデータ収集と考察で非常に面白かった。

 

中高と定期テストだけはできて、実力テストなるものは全くできない。暗記と公式だけで乗り越えられる力しか身についていないので結果は当然。

大学入試も受けておらず「勉強すること」から徹底して逃げてきた身として、「思考ができる人」「論理的思考」「本質を捉えた思考」等々は身についてなかった。

それらができる人を見て、なんとなく違いを感じ、なんとなく真似し、羨ましく思っていた。

1つの転機は公務員試験。否が応でも勉強せざるを得なく、1日10時間勉強を続けた結果、無事に合格できた。この頃始めて勉強の面白さを覚え、物事の理解の仕方が身についた気がする。それはきちんと問題を理解し、考える力が身についたことが基礎であると思う。それがまさにこの本に書いてある「教科書が読めない子どもたち」ということを指している。

 

特に「読解力をどう伸ばすか」とういことへの解が書かれているわけではないが、この先に待ち受ける未来のシナリオは確かに怖い。肌感で感じていた教育格差や地域格差もここに関連する課題だと感じる。

「日常の不を捉えて小さくても需要に応える供給を作ることが人間らしく生きることであり、代替されないこと」なのかな。