感想「WHYから始めよ!インスパイア型リーダーはここが違う」

こんにちは。ごめすです。

 

毎年、新年が明けたら妻の実家がある高尾山に登りますが、

今年は喪中ということもあり初詣でもろもろを諦めていました。

ただ、よく調べてみたら神社や鳥居を通らないで登れるコースを発見。

そんなわけで今年も高尾山へ行ってきました。

登りはリフトを使って、帰りは歩いて下山。

天気も良くて、往復で3時間かからないくらいなので散歩にはちょうどいい距離。

なお、薬王院近くのおやきと、下山後のお蕎麦、そして温泉は1セットで楽しむのがポイントです。

 

とゆーことで、今年3冊目の読後まとめです。

社内の人からお勧めだと聞いてから早3か月。

ようやく読みました。

 

書名:「WHYから始めよ! ―インスパイア型リーダーはここが違う」

著者:サイモン・シネック(翻訳:栗木さつき)

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以下、気になったところをまとめていきます。 

なお、最下段に要点をまとめています。

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私たちが与える指示、計画する作業の道筋、望む結果、それらはすべてひつとのことから発生している。そう、決断である。望みの結果をだすために、車体にみったり合うよう最後のドアを調節しようと決断する人もいれば、まったく異なる場所からスタートする人もいる。どちらの作業の道筋も短期的に見れば同じような結果を生むかもしれあい。だが、長期的な成功を予測できるのは、設計の段階からどあを隙間なく合うようにしておく必要性を理解している人間、つまり、怠慢があってはならないことを理解している人間だけだ。

 

ところが「どうして貴社の顧客は忠実にずっと顧客であり続けているのでしょう?」とな尋ねれば、大半の企業は「品質・特色・価格・サービスのどれをとっても当社の方が優れているからですよ」と応じるあろう。言い換えれば、なぜ自社の顧客が顧客でありつづけているのかが。大半の企業にはまるでわかっていない。自社の顧客が顧客であり続けている理由を把握していな企業は、自社の社員が社員を続けている理由もまるで把握できていない。

 

<ゴールデンサークル>は、最初に「なぜ」と自問することですべてを始めようと肝に銘じていれば、以前よりもずっと大きなことを達成できるという動かしがたい証拠を示している。

 

WHY:自分がいましていることを、いしている理由=WHY。これを明言できる人や企業は少ない。あなたの目的はなんですか、大義や理念はなんですかと尋ねているのだ。

 

もう一度、繰り返す。人々はあなたのWHATを買うわけではない。あなたがそれをしているWHYを買う。

 

なぜその製品が存在するのかが最初に考えられるべきであり、それを望む人がいる理由と一致しなければならない。

自社の製品の方が優れているという単純な主張は、それを裏付ける合理的な証拠の有無に関わらず、欲望を生み出すことができるし、消費者に購入を決断させることができる。だが、忠誠心を生み出すことはできない。操作されたわけではないのに、ある製品を買いたいという気持ちが沸き上がってきたら、その顧客はその製品がよりよいと思った理由をはっきりと言葉にして説明することができるだろう。

ところが傑出したリーダーや企業は、強い忠誠心を相手に持たせることができる。それが、忠誠心を持たせることのできる企業、ブランド、製品、人物によって示される理念なのだ。

 

どこかに帰属していたいという願望は、理性から生じるものではなく、どんな文化であろうとすべての人間がもつ普遍的なものだ。周囲の人たちと価値観や信条を共有していると感じられれば、じぶんは何かの一員だと思える。帰属意識を覚えられれば、人とのつながりを感じ、安心感を覚える。人類である私たちは、そうした感覚を切望し、在り所を探す。

 

すべては、明快さから始まる。まず、自分のWHYがはっきりとわかっていなければならない。そして、あなた本人にきちんと自分の志や理念といったものがわかっていなければ、他の人にわかるはずがない。

人をインスパイアしたければ、まず、志や理念といった自分のWHYを明確にしておこう。

 

指針を明確にするには、動詞を使うといい。「誠実」ではなく、「常に正しいことをいしょう」と書こう。「イノベーションではなく、「問題を違う角度から眺めよう」と書こう。自分の価値観を表現すると、はっきりとしたアイディアが浮かび、どんな状況に直面しても、どう行動すべきかが明確にわかるようになる。

いくら口酸っぱく社員に「誠実」を説いても、社員が顧客に最善をはかるとは限らない。だが、「常に正しことをしなさい」と言えば、社員に通じる。

 

決定を下す基盤として、合理的な理由しか並べられないとき、つまり具体的な利益やデータや数字しか根拠として挙げられないとき、私たちが自信をもって言える最も高いレベルの言葉は、「これが正しい決定だとおもう」である。それは生物学的に正確といえる。というのも、渡地たちの脳の「考える」部位である新皮質を活発に動かしているからだ。新皮質で、私たちは思考を言語に変換する。

だが直感で決断すると、自分に言い聞かせることのできるもっとも高いレベルの自信は、「これが正しい決定だと感じる」になる。たとえ事実やデータを突き付けられても、同じこと。というのも、直感による決断は渡地たちの感情をつかさどる脳の部位で下されるため、言語は関係ないからだ。

 

問題となるのは、いったいどんんば求人広告を載せるかだ。求人広告で説明されるのはすべてWHATであり、WHYではない。たとえば、「広告営業、急募。最低5年の経験、業界知識必須。高給、福利厚生完備。急成長を遂げる夢の会社で働きませんか?」この広告には応募者は殺到するかもしれない。が、その中からどな人材を採用すればいいのか、手掛かりはない。

ところがエンデュランス号の乗組員を募るため、シャクルトンが出した求人広告の内容は異なっていた。シャクルトンは、自分が求めるWHATを並べ、「求む、探検に同行する男性。最低5年の経験必須。主帆の揚げ方を知っている人。素晴らしい船長の下で働きませんか?」といった広告は掲載しなかった。

シャクルトンは、それ以上のものを人材に求めていた。「男子求む。危険な旅。低賃金。極寒。闇の中での長い歳月。危険と隣り合わせ。静観の保証せず。ただし、成功すれば名誉と称賛が送られる」

この求人広告に応募してきたのは、この広告が素晴らしと思った男たちだけだった。彼らはとても勝ち目のなさそうな賭けに打って出るのが好きだった。だから、困難にも挑もうとする者だけが応募した。

乗組員は、リーダーのために革新的な解決策を探し、必死で働くわけではない。彼らは自分自身のためにそうするのだ。

 

偉大なるリーダーが共通して持っているのは、組織の適材を見つける能力だ。リーダーが信じるものを信じる人間を探す能力である。

ハーブ・ケレハーがこう語ったのは語り草となっている。「技術を雇うんじゃない、姿勢を雇うんだ。技術なんぞ、いつだった教えられる」まさに言い得て妙である。

 

この2人の石工はがしているWHATは、まったく同じことだ。だが一つ、違いがある。1人は目的を持っている。彼は、自分が「一員である」という認識を持っている。彼は自分の仕事そのものより、もっと大きなものの一部として働くために、職場に来ている。WHYの意識をもつという、ただそれだけで、仕事全体の見方が変わるのだ。当然、生産性も上がるし、忠誠心も生まれるだろう。1人目の石工は、もっと高い賃金がもらえる仕事があれば転職をするかもしれないが、この仕事にやりがいを感じている石工の方は、たとえ高給で楽な仕事があったとしても、そちらには見向きもせず、今の仕事で残業をこなすだろう。そして、大聖堂建築という崇高な目的の一部であり続けようとするだろう。そして石工という仕事が、ステンドグラスの職人や建築士の仕事と同様に重要だと思っている。何しろ、自分たちは一丸となって大聖堂を建築しているのだ。こうした絆から、同志愛が生まれる。そして同志愛や信頼こそが成功をもたらす。人々の共通の目的に向けて力を合わせるからだ。

 

そんな策を弄して獲得した社員は、会社のWHYを信じているからではなく、カネのために仕事をする。これは昔ながらの典型的な操作だ。同様に、だれかに大金を払い、明暗を出してくれと頼んだところで、たいていうまくいかない。ところが似たような考え方をする人々を集め、彼らに理念や大志を持たせると、チームワークや同志愛という大きな意識が生まれる。ラングレーはドリームチームを集め、きみたちを金持ちにしてやろうと約束した。一方ライト兄弟は、ひとりではできない、なにか大きなことを一緒に成し遂げようと訴えた。ありきたりの会社は、社員に取り組む仕事を与える。それとは対照的に革新的な組織の大半は、目標を目指して励むことのできる仕事を与える。

 

リーダーの役割は、様々な名案を示すことではない。リーダーの役割は名案が浮かぶよう環境を整えることだ。新たな手法を見つける資格がだれよりもあるのは、社内の人間、それも最前線で働く人たちだ。

ただ仕事をこなすためだけに出社しろ、自分の仕事さえしていればそれでいいと社員に言おうものなら、社員はそれしかしなくなる。そうではなく、つねに会社創設の理念、つまりWHYを言って聞かせ、持ち場の仕事をこなしながらも、

そうしたWHYを体現する方法をつねに探しなさいと鼓舞すれば、彼らは自分の仕事以外のことまでやってのける。

 

私たちはこの世でいちばん大切なものを預ける時、立派な経験をもつ遠くの人よりも、信条や価値観を共有する近所の人を選ぶ。これは、非常に興味深い事実だ。当然、従業員を採用するときにも、この問題が生じる。履歴書と経験が重要なのか。それとも、組織のコミュニティに適応するかどうかが重要なのか。もちろん、自分の自分の子どもは、自分の地位や肩書よりも大切だ。だが、このふたつの問題を、私たちはまったく違う態度で扱う。ではだれが最高の社員になるかを見極める時にも、私たちは誤った過程に基づいて判断を下しているのだろうか。

 

ここで軍隊の例を引き合いに出したのは、話の要点を説明しやすいからだ。信頼が肝心。信頼は共通する価値観や信条を持つ文化や組織の一部になった時に生じる。これは企業でも同じだ。企業が積極的に<ゴールデン・サークル>のバランス―明晰さ、厳しい指針、一貫性ーを維持しようとしなければ、信頼は地に落ちる。会社であろうと、組織であろうと、初心を忘れない努力を怠らないことだ。そもそも。創業の理念はどこにあるのか。何を信じているのか。社員全員が会社の価値観や理念、基本方針をしっかりと説明できるようにしえておかなければならない。壁に標語を貼るだけでは足りない―そんなものは受け身の行動だ。ボーナスなどの刺激策は、あくまで二次的な策略。会社は、社に奉仕したいと願う人たちに奉仕をしなければならない。

 

「あなたにとって一番大切なものは、株主ですか、従業員ですか」と尋ねられたケレハーは、当時では異端と思われた(いまでもそうだろうが)返答をした。「当然、いちばん大切なのは従業員だ。自分がきちんと扱われていると思えれば、従業員は世間にきちんと対応する。すると、世間は、この会社の製品をもう一度使おうという気になる。すると株主が幸福になる。それが成功の秘訣だよ。難問でもなんでもない」

 

大衆消費市場における成功は、とても皮肉なプロセスを経る。企業が鐘型曲線の真ん中あたりの消費者に狙いを定めて売り込もうとしても、うまくいかないのだ。まず曲線の左側の初期採用者に狙いを定め、売り込みをかけなければならない。だが、これは非常に費用がかかる。というのも、ロジャーズによれば、初期多数派はほかの人が最初に試してくれないと、購入する気にならないからあ。初期多数派は、実際には全体の多数派でもあるのだが、すでにその新商品や新サービスを実際に使い、試してみた人からの推薦がないと購入を決断しない。ほかのだれかに味見をしてほしいというわけだ。そのうえ、味見をした感想は信用のおけるものであらねばならない。

 

ビジネスの目標は、単にだれか―大衆―に商品を売ることではなく、理念や志に共感してくれる人を探すことにある。つまり、鐘形曲線の左側の人を探さなければならないのだ。彼らはあなたがしていることに大きな価値を認め、あなたを支援するためなら多少の不便には耐え、割増金を支払う。そしてみずから、口コミで評判を広げてくれる。この15~18%に当たる人たちは、ただ製品を買いたい人だけで構成されているわけではない。あなたの理念に共鳴し、日々の生活にあなたの製品やサービスを取り入れている。つまりそれは、彼ら自身の理念が具体的に形になったものなのだ。このグループはもっとも忠誠心が強い。そしてまた、もっとも忠誠心の強い株主にも従業員にもなる。

 

初期採用者に狙いを定めれていれば、最終的には他者がついてくる。しかし、それはWHYで始めなければならない。周囲に影響力をもつ人に狙いを定めるだけでは足りないのだ。私たちは時と場合により、誰もが周囲に影響力を与えるそんざいになる。よって、自分が信じていることを信じてくれる人物を探さなければならない。その時初めて、刺激策などでなんの操作もされなくても、彼らはみずからあなたのことを話してくれる。

 

つまり、カリスマ性はエネルギーとは関係ない。カリスマ性は、WHYの明晰さから生じる。自分よりも大きな理想に絶対的な革新をもつことから生じるのだ。これとは対象的にエネルギーは、夜間の充分な睡眠と大量のカフェインから生じる。エネルギーは人を興奮させる。だが人の心を揺り動かし、感動させることができるのはカリスマだけだ。そして、そこから忠誠心が生まれる。エネルギーからは生まれない。

 

私たちが進むキャリアの道は、たいてい、たまたま選んだものだ。私が法律に魅力を覚えると同時にしt棒している様子を見ると、こうアドバイスしてくれた。それなら、マーケティングを勉強でもしてみたら?大当たり!かくして私はマーケティングの分野でキャリアを始めることとなった。これまでに私がやってきたことを一つに過ぎない。私はマーケティングそのものに情熱を感じているわけではないし。私には、ひとつの志がある。それは「自らをインスパイアすることをするように、人々をインスパイアすること」だ。それが、毎朝、私がベッドから這い上がるWHYである。だから、そのために新たな方法、すなわち自分の理念を実現するためのさまざまな方法を見つけると、胸がときめく。

 

WHYタイプは夢想家であり、あまりにも活発な想像力の持ち主だ。だから楽観的になりがちで、想像したことは全て実現可能だと考えてしまう。一方HOWタイプは、もっと現実を生きる。かれらは現実主義であり、実務的な事柄に鋭敏だ。WHYタイプは、大半の人の目に見えないものを見ようとし未来を見据えようとする。とこらが、HOWタイプは、大半の人の目に見えるものをもっとはきりと見ようとするし、構造や組織をつくりあげ、きちんとしたプロセスを経て、目標を達成するのが得意だ。WHYタイプの方が優れているとか、HOWタイプの方が優れているとかいうことはない。ただものごとの眺め方とものごとを経験するやり方が、もともと異なっているのだ。

 

自分のことを「ビジョナリー」だと思っている人は多い。つまり、先見の明があり、独創的で、社会に大きな影響を与えると夢想しているわけだが、実際のところ、成功した起業家の大半はHOWタイプだ。試しに、起業家の楽しみはどこにあるのかと、尋ねてみるといい。大半の起業家が、「会社を興すのがたのしい」と、応じるだろう。

 

この関係が築きあげられると、ひとつの組織におけるビジョンの名言とミッションの名言の違いがはっきりする。ビジョンは、そもそもなぜ会社が存在するのかというWHY、つまり創業者の意図である。そして、いまはまだ存在しない未来像が述べられる。一方、ミッションは、会社がそうした未来像をどうつくりあげていくかというHOW、つまり目的地に至るまでのルーツ、指針の説明である。このふたつが明確に述べられれば、WHYタイプとHOWタイプの両方が協力関係における自分の役割を確信できる。そして双方が力を合わせ、明確な目的を達成しようとする。そのためには技術だけではなく、信頼が必要となる。

 

三次元の<ゴールデン・サークル>が円錐形をしているのは、偶然ではない。その円錐形は実際に、メガホンなのだ。組織が効率のいい管となれば、その管を通じて、明確な目的、大義、信条を外界に向けて語ることができる。だがメガホンを機能させるには、明晰さが最初に来なければならない。明確なメッセージがなければ拡声器で伝えるものがないのだから。

 

ブルーダーは明確なWHYの意識を持っていた。人々が自分の人生を受け入れ、今のような生き方をしているのは、そのしなければならないからではなく、誰も他の選択肢があることを教えてくれないからだと考えていた。その日、横断歩道で彼が娘たちに教えていたのは、そういうことだった―物事には常に、考慮すべき別の面がある。ブルーダーは常にWHYで始めていたため、大いなる目標を達成することができた。だが、もっと大切なのは、自分の言動からWHYを周囲に広め、周囲の人が自分のために偉大になる物事をするようインスパイアすることだった。

 

組織が成長するにつれ、リーダーは会社がしているWHATから物理的にどんどん遠ざかる。そして、外側の市場からもどんどん遠ざかる。悲しいことに、企業がそこそこ大きくなると、毎日、こきゃうと接触しているCEOは数は少なくなる。だが、顧客と株主の両方とも、組織の外側にある混沌とした市場に存在する。円錐形が示すようにCEOの仕事は、つまりリーダーの責任は市場の外に集中することではない。そうではなく、その真下にある層に集中することだ。すなわち、HOWに目を向けるのだ。リーダーは、メンバーに深淵ンを確実に信じさせ、それを実行する方法を確実に理解させなければならない。そしてHOWタイプは、WHYを理解する責任を負っている。システムを発展させるために、日々、出勤しなければならない。そしてWHYを実行に移す人間を雇うのだ。だから一般社員は、外の世界に向けて会社のWHYを実行する責任を負っている。問題は、それを明確に行えるかどうかだ。

 

ずばり言うと、顧客に向かって企業が自分たちの深化を伝えようと奮闘するのは、ビジネスの問題ではない。それは生物学の問題だ。感情を言葉にしようと懸命になり、私たちは隠喩や比喩や類推に頼る。深い感情を説明sる適切な言葉が見つからず、目的、大義信条を語るときに物語を利用し、シンボルを活用する。自分たちの信念に共感する人たちに、具体的な例を挙げ、「だから心を動かされたんですよ」と説明する。適切に行えば、それがマーケティング、ブランド、製品、サービスとばんる。それが、組織と外界とコミュニケーションを図る方法である。そして明確にコミュニケーションを図れば、あなたは理解される。

 

しかし、ひとつだけ確かなことがある。あなたがこうした商品―セロリ、豆乳、クッキー、チョコレート―をすべてカゴに積み上げ、スーパーのレジの列に並んでいるとしよう。その時周囲の人には、あなたが何を信じているのかが、まったくわからない。あなたがしていることはあなたがしんじているものの具体的な証拠であるはずなのに、すべてを買おうとしているのだから。

 

商品を購入する際に、必ず自分のWHYといフィルターにかけてから決定すれば、スーパーでの買い物に時間をかけずにすむし、お金も使わずに済む。そのうえ、もうひとつ有利な点がある。そうして購入した商品はすべて、あなたにとって必ず価値があるという点だ。そして、なにより重要なのは、購入しようとする商品をかごに入れた時、あなたが何を信じているかが、誰の目からも理解できるという点だ。

 

組織内でWHYが言明されていれば、組織の人間はだれもが創業者と同様に明確かつ正確に決定を下すことができる。WHYは意思決定に明確なフィルターをもたらす。それがどんな決断―雇用、パートナーシップ、戦略、作戦―であろうと、必ず<セロリ・テスト>に合格しなければならない。

 

ウォルトンの創業理念に対するもっと皮肉な裏切り行為は、ウォルマートが自分を笑うことも批判から学ぶこともしなくなったことだ。「成功したら、祝いなさい」と、ウォルトンは言った。「失敗したら、少しでもユーモアを見つけなさい。あまり深刻に考えこまないことだ。あなたがリラックスすれば、周囲の人もリラックスする」。ところがウォルマートは、会社のあり方が昔と変わってしまったことを認めようとせず、その反対のことばかりするようになった。

 

起業したあと、あるいは仕事を始めたあと、自分が行うWHATに私たちは自信を深めていく。そして、それを行うHOWに精通していく。業績を上げれば、どれだけの成功を収めたかを具体的な数値で知ることができ、これでまた前進した。成功したと感じることができる。ところがその過程で、そもそもどうしてこの旅を始めたのかというWHYをすっかり忘れてしまう。すると、必ずWHATとWHYの乖離が生じる。

 

業績の大小にかかわらず、WHYを決して見失わない能力がある人は、私たちをインスパイアする。WHYを見失わず、また、だれもが正しい方角に向かって進むことができるよう標石を設けることのできる人こそ、大いなるリーダーである。

 

ところが、多くのスモールビジネスが失敗するのは、情熱だけでは足りないからだ。情熱を持続させるためには構造が必要となる。構造なき情熱、つまりHOWなしWHYでは、失敗する確率が高い。

 

どんな組織でも直面する、唯一かつ最大の難関は―成功だ。ところが、組織が大きくなり、一層の大きな成功をおさめるよになると、すべての重要な決断をひとりの人間が下すのは物理的に不可能になる。すると他人を信頼し、大きな決断を下してもらうだけでなく、誰を雇用するかも決めてもらう必要が出てくる。そうしてメガホンが大きくなるにつれ、ゆっくりと、だが確実に、WHYの明晰さは薄れていく。

 

後継者が正しい松明をもっているかどうかは、簡単に見分けることができる。ただ<セロリ・テスト>をあてはめ、会社の言動が理念と一致しているかどうかをみればいい。彼らのWHATが彼らのWHYをきちんと立証しているかをみればいい。

 

理念をもって創業された企業がそうであるように、コストコもメガホンに頼って成長した。PR部門あなく、広告に経費を割くこともない。コストコに必要なものは<普及の法則>だけだった―口コミで評判を広めてもらえばいい。「忠誠心の篤い大使が12万人いるところを想像してください。たえず、あなたのことをほめてくれる大使が」と、シネガルは気の利いた返答をした。

 

ベンは私たちに特別なレッスンを授けている。他の人間と競争するとき、誰もあなたを助けたいとは思わない。ところが、彼が自分自身に戦いを挑むと、誰もがあなたを助けたいと思う。ベンは自分が走るのはなぜかという明確な意識をもち、どのレースにも参加している。彼は他のだれかを打ち負かそうとは思っていない。ただ自分に勝つために走っているのだ。ベンは決して自分のWHYを見失わない。自分が走るWHYが明確にわかっているからこそ、強さをもつことができる。

 

ではこんど、「あなたのライバルは?」と訊かれたら、「ライバルなんていない」と答えよう。今度だれかに「どうしてあなたはライバルより優れているのか?」と尋ねられたら、「あらゆる点で、彼らより優れているところはない」と応じよう。「それなら、どうしてあなたと取引をする方がいいんです?」と訊かれたら、自信をもって応じよう。「私たちが今している仕事は、半年前に私たちがしていた仕事よりいいからです。半年後には、今の私たちよりずっといい仕事をしているでしょう。私たちは、出社するWHYを明確にもっているからこそ、毎朝、目覚めます。そそいてみずからインスパイアするよう、人々をインスパイアするために出社しています。私たちの目標は、私たちが信じている子を信じてくれる顧客を見つけることです。私たちは力を合わせ、成功することができます。私たちは同じ目標を目指し、協力してくれる人を探します。そして、ここに、私たちの理念を実現するためにしていることがあります…」そして、HOWとWHATの詳細を説明する。だが、今回、それはWHYで始まっている。

 

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要は、

・自分のWHYがはっきりとわかっていなければならない。自分自身のの志や理念といったものがわかっていなければ、他の人にわかるはずがない。人をインスパイアしたければ、まず、志や理念といった自分のWHYを明確にする。

・自分のWHY≒自分の価値観を表現すると、はっきりとしたアイディアが浮かび、どんな状況に直面しても、どう行動すべきかが明確にわかるようになる。

・カリスマ性はエネルギーとは関係ない、WHYの明晰さから生じる。自分よりも大きな理想に絶対的な革新をもつことから生じる。エネルギーエネルギーは人を興奮させるが、人の心を揺り動かし、感動させることができるのはカリスマだけだ。そして、そこから忠誠心が生まれる。エネルギーからは生まれない。

 ・常にWHYで始めることで、大いなる目標を達成することができる。だが、もっと大切なのは、自分の言動からWHYを周囲に広め、周囲の人が自分のために偉大になる物事をするようインスパイアすること。

・とはいえ、情熱≒WHYを持続させるためには構造が必要となる。構造なき情熱、つまりHOWなしWHYでは、失敗する確率が高い。

 

以上です。

 

1万文字を超えました。

今後ややり方を見直そうと決意した1日でした。

 

私のWHYはここでいう「人をインスパイアさせる」という表現が近いと感じました。

ただ、価値ある行動自体がインスパイアさせることだと思うので、もう一段掘り下げて考えなおしてみみたいと思います。

 

ごめす