【感想】ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学

【なぜこれを選んだか?】

・自身の営業活動に活かすため、「高利益率を叩き出す電子部品業界」の類いの本を読み、「経営とはなんぞや」と気になったため。

・以前に著者の入山さんが社内イベントのゲストスピーカーとして登壇。その際のスピーチ内容が非常に印象的で気になっていたため。

・10月以降の営業組織の戦略の種となるようなことを一つでも得られればと思い選美ました。

 

【3行でまとめると?】

・著者がアメリカのビジネススクールで自らも弁を奮ってきた中で体感した「最先端の経営学」がどのようなものかを平易に、かつビジネスパーソンが興味を持つ切り口で各章ごとにまとめられている。

・研究者、教育者、ビジネスパーソンと立場によって「経営学」の捉え方が全く異なり、それぞれの視点から見える世界とそこから得られる示唆がビジネスパーソンにもわかりやすく記載されている。

・「それって本当に正しいのか」と感じるビジネスの現場での問いや疑問を中心に経営学で論じられているテーマを研究結果とともにわかりやすく解説をしており、納得感が高い。

【チェックポイント】

・この四半世紀、ビジネススクールの教科書に記載されている内容は変わっていない。ポーターの競争戦略とバーニーのVRIO理論とか。 

経営学では国際標準化が進んでいること、もう一つは「役に立つ」より

う「経営を科学する」つまり法則ではなく真理を追求している。

・「知見のツール化」に熱心ではない。学術的評価に結びつかないため。そのため、ツール化されたポーター等がずっと教科書に載っている。

・「経営学は役に立たない」と切り捨てるビジネスパーソンは「答えがある」と思い込んでいる。あくまで「思考の軸」でしかない。
・会社の戦略がうまくいかないのは「競争の型」と「使う戦略のタイプ」がマッチしていないため。
・「参入障壁が高く、新規参入しにくい」IO(Industrial Organization )型は、ポーターのSCP戦略。
・IO型よりも参入障壁が低く、複数企業である程度差別化しながら競争するチェンバレン型は、バーニーのRBV戦略。
・競争環境の不確実性が高いシュンペーター型は、リアルオプション戦略。
チェンバレン型のが多い日本企業はRBV戦略で成功してきた。例えば家電メーカーが「技術力・人材力重視」の戦略がマッチしてた。ただ、市場が海外に移り、競争戦略へシフトしなければならないが、割り切ったポジショニング戦略を取れずに衰退してきている。
・新しい事業に求められるものは「イノベーティブでかつ、シンプルなビジネスモデル」。
・不確実性が多い市場環境こそ、リアルオプション戦略で小さな投資をしてチャレンジした方がいい。失敗の可能性もあるが、コストは少なく撤退しやすく、逆に成功した際、不確実性が高い環境だからこそリターンが大きい可能性が高いため。リスクを恐れてやらないより、小さい投資でまずは始めるべき。
イノベーションの源泉の一つは、「既存の知と、別の既存の知の、新しい組み合わせ」。「知の探索」と「知の深化」の両方とも大事。
・現実的には「知の深化」に偏りがち。知の探索は時間もコストもかかり、犬猿されがち。
トヨタカンバン方式アメリカのすーぱーマーケットの仕組みから着想。店頭での売れ行きによって必要な分だけ調達するという「下流が上流に引き取りに来る」という仕組みから。
ヤマト運輸の「個人宅配に絞り込む」は吉野家の「牛丼単品で勝負する」から着想。
セブンイレブンは、当時大規模店舗と零細小売店の共存共栄を悩んでいた際に、アメリカで台頭していたコンビニエンスストアのフォーマットに着目して日本風にアレンジしたもの。
・いずれも「自社の範疇からだいぶ外れたところにある知」の組み合わせとなっている点が「両利きの経営」の事例。
・新規事業組織において、「そのビジネスに必要な機能(開発、生産、営業)を全て持たせ独立性を持たせ」、「他方でトップレベルでは他の既存部署から浮かないように両者の知見や資源を活かし合えるよう結合と交流を促すこと」が重要。
・この組織が活きるには「両利きのリーダー」が必要。組織とリーダーシップが求められ、いかに「知の探索」に出られるかがポイント。
 
【まとめ】
・まとめきれない。もっと要点絞ってチェックします。反省。

 

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